2020-05-04 『子守り桜』 『青い桜』 まだ肌寒い春の夜のことです。 打ちひしがれた様子の女がひとり、 生まれて間もない赤子を抱えて 桜の木の下でしばらく泣いておりました。 そして朝になったときには、 すっかり冷たくなっていたのですが、 幸いなことに、赤ん坊は無事でした。 母親の腕の中に、桜の花びらがどっさり積もって、 夜冷えを防いでいてくれたのです。 それで、人々はこの桜を『子守り桜』と 呼ぶようになったということです。